風船だけじゃない ヘリウムガスの様々な用途
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ヘリウムガスとは
ヘリウムガスをご存知でしょうか?
身近な所では、風船飛ばしや夜店の風船(フィルムバルーン)に使われています。
更にモデルさんがふわふわした風船を手にし、撮影会などでも使用しています。
風船の中にはヘリウムガスが入っています。
「無味」、「無臭」、「無色」、「無毒」という性質から様々な分野で使われているヘリウムについてご紹介しようと思います。
風船だけではない、ヘリウムの使われ方です。
ヘリウムの正体
ヘリウムは元素記号がHeで表され、原子番号 2、原子量 4.00260の不活性の単原子ガスです。
フランス人天文学者のピエール・ジャンサンによって1868年にその存在が確認されました。
その性質は非常に安定しており、他の化学物質と容易に反応しないため、化学分野をはじめ産業にも広く利用されています。
ヘリウムの性質
化学的に安定しているヘリウムはまた、加圧しないと液体にならず、沸点が-268.9度と極低温である事も特長のひとつです。
-268.9度は絶対零度(-273℃)にほぼ近くこれほど低温で気体の状態を保つのは他に窒素(-196℃)の例があるくらいです。
超低温化で気体のまま、「無味」、「無臭」、「無色」、「無毒(酸素欠乏は除く)」という性質の他、「軽い」という事もヘリウムの特長です。
その軽さの理由は原子構造にあります。
ヘリウムは正電荷を帯びた陽子が2個と電気的には中性の中性子が2個、合計4個の核子からなり、その構造ゆえに原子レベルで軽いのです。
ヘリウムの用途
こうしたヘリウムの性質を活かしているのが、「超電導」の分野です。
粒子加速器では、粒子に運動エネルギーを与えるために超電導状態にするために
磁気装置を極低温に冷やし電気的抵抗を極限まで下げます。
この粒子加速器を冷やすためにヘリウムが利用されているのです。
こうした先進科学分野以外にも、超電導磁気装置は使われています。
病院で検査に使うMRIがそれです。
超電導磁気装置を冷却するために極低温に冷やしたヘリウムが使われています。
また、半導体製造の現場でもヘリウムは活躍しています。
ヘリウムの安定した性質(他の物質と混ざらない)を利用して、光ファイバーの焼成やシリコンウェハーの熱をすばやく奪う「冷却用ガス」として、精密機械を溶接する時にも、「雰囲気ガス」として利用されるなど幅広い分野で私たちの生活の基礎を支えています。
ヘリウムは風船だけじゃない!
宇宙科学のロケットやコンピュータなどのパソコンや電卓にも使われています。
ヘリウムの用途は先進科学分野から半導体や医療まで幅広く使われています。
この夏、お祭りで風船を見かけたらヘリウムについてこのお話しを思い出して下さい。